資金繰りが経営にとって何よりも重要なのは言うまでもありません。「勘定合って銭足らず」と言われるように、黒字経営であっても資金がショートし銀行取引が停止になれば倒産です。
菓子・パン店は日々現金での売上が多い一方で支払いは遅いので、資金繰りとしては余裕がある方の業種です。しかし、それが資金繰りへの意識を鈍くし、赤字になってから慌て始める傾向が多いのも事実です。
日頃より資金繰りを改善する努力を続け、経営の安全度を高めておくことが重要です。
資金繰り改善を考える場合には、短期施策と中長期施策に分けて考えます。
資金繰りに最も影響が大きい売上は、対策を講じても効果が出るまでにある程度の時間が必要ですので、中長期施策として取り組むことになります。安易な安売りは短期的に売上を押し上げ資金繰りも一時的には改善しますが、結果的には経営を悪化させます。
短期施策としては、コスト削減や借入のリスケジューリング(返済条件の見直し)、仕入条件見直し等からできることを探します。ただ、金融機関や取引先に対して、借入や条件の変更を安易に申し出ると、経営への警戒心をあおり与信評価を落とす可能性がありますので、十分な準備が必要です。