パン屋・ケーキ屋のデザイン・内装に顧客の意見を取り入れる

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あなたの店の顧客が、店や商品、接客をどう思っているか知っていますか?
顧客が直接言ってくれる場合は少ないため、察するしかないのが現状だと思います。

顧客が店に対して抱いている様々な印象「店へのイメージ」「思い」をアンケート等によって知ることができれば、それを店舗や接客の改善につなげることが期待できます。この「店へのイメージ」「思い」は、顧客が店舗選択や口コミを知人友人へ伝える際にも無意識で織り込まれると考えられます。
それを知り有効に活用できれば、顧客満足度の向上にも繋がります。

このための方法を事例を元に解説します。

【 事例 ベーカリー専門店 】

プロフィール ~ 食パンが人気の繁盛店 ~
パン屋地方都市近郊のベーカリー店で、周辺に目立った競合はなく、量販店やコンビニのパンとの棲み分けもでき安定した経営を続けています。
主力商品の食パンは厳選された酵母と天然水を使った高品質な商品として人気が高く、売上の半分近くを占めています。

経営課題 ~ 迫る競合への対策。偏った商品構成と店舗の老朽化 ~
隣接する都市から競合店が近隣に出店を予定していることが判明しました。この店でも食パンの人気が高い為、顧客を奪われる心配があります。
また、最近コンビニが販売した高価格食パンの評判が予想以上に高く、たかがコンビニと無視できなくなってきて、今後の経営に影響を及ぼしそうです。高粗利商品でもあった高級食パンの売上が落ち込むと経営への影響は大きい為、商品構成の見直しに取り組みたいと考えています。
さらに、店舗の老朽化が進んでいたものの、顧客は商品に魅力を感じているからとあまり気にかけていませんでしたが、この機会に店について顧客の声を聞き、必要ならば対策を練りたいと考えています。

顧客の思い

1.どんなデータから?

漠然としている菓子店・パン店への「思い」「店へのイメージ」は、顧客に直接聞いてもなかなか引き出すことはできません。
その為、顧客アンケートで「思い」「イメージ」を表していると思われる項目を質問することで探っていきます。実際には、店について聞きたい一般的な具体的項目を中心に聞くようになります。
ここでは因子分析という方法を用います。

2.何がわかる?

アンケートの回答結果を分析すると、顧客が抱く「思い」「店へのイメージ」として浮かび上がったのは、味と価格を表している「商品」イメージと、店内の清潔感とセンスを表している「店の内装」イメージとなりました。
詳細を掲載していませんが、この結果を各回答者個別に見てみると、商品への評価が高く、内装への評価が低いことが端的に表れていました。店舗の老朽化からくる店の劣化に対して、顧客は厳しい視線を持っていたことが伺えます。

ここでは回答の背後にある漠然としたイメージ(回答結果を生み出すもの)を抽出するため、因子分析という方法を使っています。これは、アンケートを実施した時にはこういうことができる方法とだけ覚えておけば良いでしょう。分析の計算等を考える必要はなく、ネット上のフリーソフト等を使って分析することができます。

顧客の思い分析

アンケート用紙サンプル

 3.どう活かす?

この結果を受け、店舗のリニューアルの必要性の高さが予想以上にあることがわかった為、競合出店に合わせた実施を決断しました。併せて、ブランドイメージも洗練するようにロゴ見直し等にも取り組みました。
これら以外にも、店舗のリニューアルに対する顧客の細かなニーズを聞きとり反映させることができれば、顧客満足度の向上を狙うことができるでしょう。

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