貴方がこれから菓子・パン店の開業を考えているなら、資金調達から店づくりまで経営者としてやるべきことが山ほどありますが、準備はできていますか?
しっかり準備をして開業の成功率を上げましょう。数多くの菓子・パン店の開業を支援してきた経験から、そのポイントを8つにまとめました。ポイントを押さえて効率的で効果的な開業を目指しましょう。
1.開業スケジュール作成
開業までには、その決意をしてから実際に行動し始めるまでは数年かかる場合が多いですが、具体的に店づくりをはじめていくのは開業1年程前からになります。
テナント店舗の場合なら、構想~物件選定・資金調達~企画で3ヶ月間程、設計・施工に2~3ヶ月間程必要になり、全体で6~7ヶ月間の期間は最短でも必要です。1棟建て独立路面店の場合は、不動産物件を探す時間や設計~施工期間も長くなりますので、短くても1年以上はかかると考えた方が良いでしょう。
スケジュール表<テナント店舗の場合 簡易版>
スケジュール表<詳細版> クリックで拡大します(PDFファイル 別ページ)
2.開業構想のまとめ
2-1.事業計画書作成
開業するにあたっての方向性と、採算、借入返済の見通しを明確にします。
用意できる「人、モノ、金」という経営資源を最大限使い、チャレンジしつつも、現実的で頑張れば達成できそうな計画を作成します。この事業計画書は、金融機関からの融資の際にも必要とされます。
ここで決めることは、後の店づくりと商品づくりを考えながら何度も練り直していくものです。
<開業計画の構成>
- 店舗コンセプト
どのような店にしたいのか?ということを具体的に設定する。
ターゲット顧客:どのような人を店の顧客としたいのか?
(年齢層、ライフスタイル、考え方、購買行動)
ビジョン:その人達が満足する店とはどのような店なのか? - 店舗イメージ
ビジョンに沿った店の内外装のイメージを膨らませる。
モデル店の写真、異業種店や建築物などモチーフになるデザインなど、関連する資料を揃える。
※店舗コンセプトとイメージを店舗設計業者に伝えて見積もりを取得する。 - 初期投資計画
開業にかかる費用を算出する。
店舗見積もり以外でも、包材、ディスプレイ、広告、初期購入の原材料等様々な費用が発生する。
それぞれ専門業者から見積もりを取得するが、菓子・パン店の設計実績の多い業者であればこれらの概算を弾いたり、業者を紹介してもらうことも可能な場合がある。 - 売上計画
開業後の売上数値を3年分作成する。手順は次の通り。
①標準となる1日売上を設定
まず、店の規模(製造能力、ケース陳列可能数)と標準的労働時間から、1日の売上可能額とその商品構成を設定する。これは製造能力とも関連してくるので、交互に考えながらシミュレーションを行うことになる。
エクセル等の表計算ソフトを使用するのが必須。
②売上の変動指数を設定
標準の1日売上を元に変動指数を設定する。変動指数とは、要因に合わせて標準売上にかける数値のこと。
ここで必要なのは、曜日別の変動指数、季節変動の影響を考慮した月別指数。
③3年間の売上を設定
初年度は月単位、以降は1年単で良い。
ただ、計画書には記載しないが、営業予算を立て振り返る為向こう3カ月分は1日単位での売上を設定する。 - 損益計画
売上計画に合わせて、費用の計画を3年分作成する。手順は次の通り。
①原価
原材料、包材費にかかる原価率を設定する。まずはひとくくりで何%と設定してから、先ほどの商品構成に合わせた原価率はどうなるかを見てみる。
これは、4でも説明しているような商品別の原価設定が必要となる。
②経費
人件費、水道光熱費、賃料等を設定するが、よく開業指南書や本等で何%くらいと設定しているものをそのまま設定することはおすすめできない。実際の店の運営をイメージしながら、どのくらいの費用がかかりそうか想像力を働かせてみよう。
ここでは、特に変動費と固定費の考え方を押さえることが重要。変動費とは売上に応じて額が変わる費用で、固定費とは売上にかかわらず同じ額の費用ということ。
固定費は賃料が代表的だが、完全な変動費というのはなく固定費+変動費となる場合が多い。人件費や水道光熱費は売上が上がれば多く必要にはなるが、売上が少なくても絶対必要な額はある。このあたりも良く考えながら設定しよう。 - 借入返済計画
開業では多くの場合、初期投資額の大部分を政策金融公庫からの借入で賄うことが多い。
その返済計画はもちろん貸主である政策金融公庫が決めることだが、この段階ではまだ詳細は不明なので、初期投資額と自己資金から必要な借入金を想定し、どうやって返済していくかを計画しておく。ここでは売上から費用などをすべて引いた残りで借入を返済できなければならない。
借入の条件は政策金融公庫の新規開業資金での説明を参考にするが、まず知っておかなければいけないのは、公庫の案内にある返済期間だ。ここでは15年以内(特に必要な場合20年以内)とあるが、これはあくまで最長期間のことであり、誰もが適用される訳ではないということ。
今まで経験と事業の可能性、自己資金の額、経営者の資質など様々な要因から決まるが、5~7年程度までと思っていた方が良い。もちろん融資申し込みでは最長でお願いすることは何の問題もないが、計画では短めを想定する。
その為、金融機関に提出する計画では返済期間を長くしておき、自分用のバージョンでは短い返済期間(=落としどころ)も想定し、それでも大丈夫な計画を作成しておく。
2-2.事業運営形態の決定
事業を個人事業と法人のどちらで運営するか検討します。
法人の場合、会社法が改正されたことで、現在では少ない資本金でも設立できるようになっています。
ただ、売上の少ない当初は、設立費用の負担が大きく節税のメリットも小さい法人は避けて個人事業で問題ありません。事業体としての信用は、店舗の場合、会社組織にするかしないかではなく店舗自体とその繁盛が全てといっていいでしょう。
また、個人事業では白色申告か青色申告かを選べますが、記帳は煩雑になっても、青色特別控除、専従者給与等の節税効果から青色申告を選んでおきましょう。
3.店づくり
3-1.商圏分析
商圏分析は店づくりを成功させる大きなポイントです。当然のことながら、出店を一度すれば長く移転はできませんのでしっかりと行っておきます。
まず最初に、様々な条件を100%満たす出店候補地はないと考え、候補地に求める項目を具体的に選び出し、優先順位を決めて絞り込んでおくことが重要です。特定の街か、ロケーションか、店頭通行客なのか、店として目指すレベルと、損益・投資回収のバランスを考えて立地選定をしなければなりません。
手順としては、出店候補地や出店候補エリアを以下のような基準によって評価し、選定していきます。
・地域:候補地商圏を含む行政区域の市場動向からの評価
・地区:候補地近隣地区の交通、競合、人口状況からの評価
・地点:候補物件自体の敷地状況、形状、用途地域からの評価
詳細は『出店の成功に欠かせない商圏分析を簡単に行う方法』を参考にしてください。
実際の商圏分析の事例は『簡単にできる商圏調査-商圏事例から学ぶ』をご覧ください。
3-2.不動産物件の確定
地点の評価は、この不動産物件を確定させる段階でもあります。
ビルイン店舗、量販店・SC内店舗、路面店舗(コンビニ閉店後の空きテナント等)迄、様々なタイプを検討します。
物件探しは、商圏調査で自ら候補エリアを回り出店に適した物件を見て回りながら、分析が進んできた段階で不動産業者に依頼します。物件情報は、公に公開(空きテナント募集中)されていない情報も多くありますので、不動産業者へ依頼するのが基本です。
不動産業者に対しては、どのような物件がいいのかを明確に伝えておきましょう。あいまいな情報だけ伝えておくと「あれもこれも」という風に物件数だけは多く紹介するけども、要望に合わなくなります。たとえ絞り込んだイメージを伝えてもそれを拡大解釈した物件を必ず紹介してきますので、その位が丁度良いのです。
また、物件を決めるうえでの大きな基準は費用です。賃貸なら保証金や賃料、共益費ですが、さらに設備や造作のために新たにどの程度の費用がかかるかも重要です。居抜き物件(前の入居テナントがそのまま使える設備や什器等を残している物件)ならこの費用は少なくて済みますが、設計の自由度はその分低くなります。
希望条件や費用をトータルに見ながら選定していきましょう。
3-3.デザイン・設計・施工
先に定めた店舗コンセプトと店舗イメージをデザイナー(設計士)に伝え、提案を受けたプランを元に議論を重ね、デザイン・図面を固めていきます。
依頼するデザイナーは、パン屋・ケーキ屋・和菓子屋の店づくりを多く手がけ、事例の実物や写真を見られる業者にすべきです。住宅やビルを専門に手がけているような業者でも図面を作成し建物を完成させることはできますが、専門店づくりのアイデア、ノウハウ(内外装や照明、什器・ケースのデザイン、レイアウト、厨房内の作業効率を考えた配置等)は持っていません。
オーナーの意向を十分汲み取ったうえで業種特有の専門的な知識とノウハウをふまえた提案ができるデザイナーを選択することが大変重要なのです。
このようなデザイナーによる実際の事例は『専門業者にしかできない設計・デザイン』で説明していますので参考にしてください。
3-4.店内の演出
店内は、店舗コンセプトを表現しターゲット顧客に響くような空間とする演出が必要です。設計段階でも考慮しますが、出来上がった空間の演出には音楽やディスプレイも重要になります。季節感や楽しさ等、季節によって様々な演出が求められますが、一貫してしクオリティの高さが必要です。店舗デザイナーにも相談しながら、演出プランニングを立てましょう。
4.商品づくり
製造する商品の良否が、顧客をリピーター化できるかを大きく左右します。商品は出店するエリアの特性(年齢層、所得水準)、顧客属性(購買行動、嗜好性等)をふまえ、以下のような手順に沿って進めていきます。
4-1.ターゲット設定
店はどのような人に向けて商品を販売したいのでしょうか?
店舗コンセプトで設定したターゲット顧客像が明確であるほど、商品は開発し易くなります。まず商圏の顧客属性等から大まかなターゲット像を設定し、さらに、その中の1人を選んで好みや感情、価値観、生活スタイルを元にした生活ストーリーを持つ顧客の具体像を描きます。
顧客をここまで具体的にすることで多くの顧客を排除するのではと、抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、心配は無用です。
こちらが顧客像を絞り込んでも、それに当てはまる顧客だけが店に関心を持ち来店するわけでは決してありません。顧客は「勝手に」店が描いたイメージに自分を当てはめ、「これは店が自分に合う」「こんな店に合う自分になりたい」等と勝手に解釈してくれるものです。むしろ、顧客像を具体化することで店の雰囲気、商品の要素、特徴が明確に打ち出し易くなり、店として表現したいことが伝わり易いのです。
※このターゲット設定で有名なものがロッテの「雪見だいふく」です。これは、ターゲットを「こたつに入ってくつろぎながら食べている中学生の女子...」と設定しています。それでもこの商品を購入するのは中学生だけではありません。
4-2.基本の商品
品揃えは、売上目標や製造効率、競合となる店舗等の品揃えを考慮しながら決定しますが、基本の商品と特徴のある商品の両方が必要です。
基本の商品は、どのような店でも最大公約数として必要になるような品揃えです。定番ジャンルや他店での人気商品、トレンドとなっている商品などです。全国的に人気が定着している商品は必ず理由があるもの。消費者がどのような点を評価してヒットしているのかを押さえるのも参考になります。
4-3.特徴のある商品(差別化商品)
ヒット商品の類似品ではなく、自店にしかない独自性の強い商品を開発します。
顧客層に合わせる、地域の特産品を活かす、素材にこだわる、ハイブリッドスイーツを創造してみる等、アイデアの着想は様々ですが、目指すべきは、商圏外の人もわざわざ買おうと思うような商品です。
時間のかかる商圏外から来店したり、ネット通販で取り寄せるような購買行動は、この顧客たちの地元には無い商品でしかあり得ません。簡単に開発できるものではありませんが、これが繁盛店になり収益を安定させるために絶対に必要です。
4-4.商品個別の設定(価格、原価設定、ネーミング)
品揃えでは、低価格で販売し集客を狙う商品と、利益を確保する商品の組み合わせ=粗利益ミックスが重要です。特に特徴のある商品は、付加価値に応じて自信を持って値付けしましょう。
消費者を対象とした菓子・スイーツの調査(2014年 ネオマーケティング社 20~39歳の男女400名を対象)でも、購入基準として「ちょっと価格が高いものでも、質と内容のバランスで納得がいけばそれを選ぶ」「一番食べたいと思うものを、価格に糸目をつけずに選ぶ」と回答した人が非常に多くなっています。消費増税後でも良い商品を選びたいという思いは確実にあるのです。
さらに、商品1個あたりの原価(主原料、副原料、包材費用)と粗利を算出します。
商品名は「覚えやすい」「語感が美しい」ネーミングとし、商品の特性(味や原料)を端的に表した説明も併せて考えます。
5.資金調達
店舗のテナント保証金から建築、什器、広告費用まで大きな投資が発生する開業では、早い時期にこの額を算出し、資金調達の目途をつけなければなりません。自己資金で全て賄う事ができればベストですが、そこまで余裕を持てる場合は少なく、資金調達は自己資金と借入金の組み合わせが殆どでしょう。
5-1.融資制度
借入金は、その多くが政策金融公庫、自治体制度融資等の公的融資になります。基本的に、民間金融機関では信用力の低い新規開業者向けの融資を行いません。
公的金融機関であれば、無担保無保証等の条件の良い融資制度等もあり、活用を考えることになります。しかし、この場合でもある程度の自己資金は必要になりますので、自己資金が少ない場合には店舗リース等他の方法も検討することになります。
自己資金は、予測売上の2ヶ月分程を残し、開店後の運転資金に余裕を持たせましょう。
<融資制度の例>
- 政策金融公庫
新規開業貸付があり、無担保無保証人では550万円迄可能な場合もある。同等額以上の自己資金は必要。 - 自治体制度融資
1000万円以上が可能な場合も有り。同等以上の自己資金が必要。
例)大阪府融資、兵庫県融資では1500万迄。西宮市は1000万迄。 - 住宅ローン
店舗面積が全体の1/2以下の住宅併用店舗であれば、住宅の建物部分で利用可能。
5-2.金融機関との交渉
金融機関から融資を受ける際の交渉では、重要なポイントがあります。
- 返済プランの根拠
借入金をきちんと返済できるプランであることを、計画書を元に根拠をしっかり計算する。
金融機関にとって最も重要なのは、貸し倒れにならないこと。担保や保証人があっても貸し倒れリスクの高い先には貸したくない。 - わかりやすさ
相手は菓子・パン店では素人なので、できるだけわかやすい説明を心がける。よほどの菓子・スイーツ好きでない限り、商品のことも店のこともほとんど知識はない。 - 熱意
相手も人間なので、熱く訴え感情に訴えかけることは重要。なぜ開業したいのか、今までの思い、どれだけ頑張ってきたか等、時間の限り訴える。
金融機関にとっては、融資先の事業が伸び、貸付金の金利で儲け、貸付金もきちんと返済される(債務履行される)ことが重要です。新規開業者に対して銀行等の民間金融機関が融資しないのは、この点で新規開業者には実績が全くなく信用がないからです。
しかし、このような状態では起業家は育ちませんので、国によって整備された政策金融公庫等の公的金融機関が開業資金を貸し付けます。とはいえ、これらも金融機関には変わりなく、貸付金が返済されることは最も重要です。また、信用力の低い客に低利で貸し出す為に、計画内容についても厳しく審査されます。
当然、返済の見通しをしっかりと考えている開業者が優遇されますが、実際は、事業を始めなければ、計画通り儲かるか返済できるかは不明でです。その為、オーナーが、開業する店をやり遂げるという強い意志を示し、よく練られた損益の見通しと返済の見通しを、自信を持って説明することが重要です。
自己資金が少ない等、条件が悪い場合ほど、この点を重視ししっかりとした計画を作らなくてはなりません。
6.スタッフ
開業当初は家族経営となる場合が多くオーナーとその家族が現場スタッフの中心となりますが、それ以外のパート・アルバイトのスタッフも必要になります。
6-1.採用方法
開店当初の店舗は知名度も無いですし、以前と比べると飲食店を含めたサービス業の人材獲得が難しくなる傾向にあり、また労働環境を見る目も厳しくなっていますので、思うような人材を集めるのは苦労するかもしれません。そのため、早めに採用に取り掛かりましょう。
製造で経験者を募集する場合は、これまでのコネクションや製菓製パンの専門学校等は有効な募集ルートです。
販売では、接客等のサービス業務経験者というだけでなく、向いているかどうかがポイントです。自然な笑顔や気遣いが日頃からできる人は未経験の接客でもすぐに慣れてできるようになります。いうまでもなく面接での印象が重要です。
6-2.採用後の育成
さらに、開業後のスタッフ育成も考えていかなければなりません。
開業当初は経営者もすべての業務に携わりますが、店舗の成長とさらなる拡大を視野に入れ、右腕となる製造チーフ、販売チーフといったマネージャーの役割を持つ人材を意識して育てていきましょう。
このような人材を育てることは、彼等をリーダーとして育てるということでもあります。少しずつ権限を与え仕事を任せ、自信をつけさせていくことで、自律的に仕事をこなせるようになっていきます。
何もかも経営者が自分でしかできないと思っていると、これはいつまでたっても不可能で、スタッフも指示待ちで受け身の仕事しかできなくなってしまいます。育てる意識を明確に持って権限委譲していくしか方法はないのです。
7.オープン催事準備
開業において最大のイベントであるオープン催事を成功させる為、オープンの2ヶ月程前から準備に取り掛かります。
7-1.催事内容
まず何を消費者にお披露目するのかを明確にします。もちろん新しい店舗と商品すべてなのですが、特に自信を持ってすすめる商品を選び、試食もしてもらいましょう。
この商品は、特徴のある商品だけでなく基本の商品も含めてで、店の売上の主力としたい商品で構成します。お試しセットとしてこれらがセットになったお得な商品も良いでしょう。
7-2.チラシ
新聞折り込みチラシは、今でも最も商圏内消費者への到達度の高い媒体です。商圏内の交通状況と流れ、世帯分布から、実際に来店すると予想されるエリアへ配布します。新聞販売店が区分けしている配布地区を調べ、実勢商圏に合致するよう設定し、無駄の少ない効率的なチラシ配布を行います。
また、同一のチラシを、駅前など店周辺の通行客が多い場所で手配りする。採用するスタッフに街頭に立ってもらうことで、自分達の店である意識を高めてもらう効果もあります。
チラシを作成する際は、以下のポイントに留意して、メッセージが明確で美味しそうに撮れた写真を使ったインパクトの強いものを作成します。
ここで間違いやすいのは、あまりにもイメージに凝ってしまい伝えたいことが不明になること。チラシはそもそもそのように伝えることには向いていない媒体です。読者がチラシを見る(残す)メリットが確実に伝わらないと、すぐに捨てられてしまうのです。
- 「誰に」
どのような人を対象とした店なのか、どんな雰囲気の店なのか伝わるように。 - 「何を」
どのような商品をお勧めしているのか、商品の特徴と美味しさが伝わるように。 - 「いくらで」
オープン催事限定のお買い得商品が明確に伝わるように。 - 「どうやって」
オープン日時、場所、アクセス方法が確実に伝わるように。
8.開業後の店舗管理
開業後は店を運営するために以下のような管理業務が発生します。
日々の業務に追われると忘れがちになりますが、最初から仕組みと役割分担を考え、パソコンの表計算ソフト等を活用してそれぞれの管理フォームを作成し、入力を習慣づけることが重要です。
- 生産管理
製造日報:日々の商品別製造個数、材料入荷数
商品別の原価管理、ロス管理、仕入管理 - 販売管理
販売日報:日々の売上、客数、客単価、商品別売上
開業当初に作成した計画の実績進捗を追いかける。 - 顧客管理
顧客カード等を導入した場合、様々な個別対応が可能となる。
ポイント加算、ダイレクトメール送付(優良顧客への差別化対応も可能) - 総務、経理
基本的に税務処理は税理士に任せ、日常の記帳等を店側で行うことが多い。(経理ソフトを利用)
社員、パート・アルバイトの勤怠管理、給与計算